こんにちは、リモンズの麻生です。

さて、前回の記事では”フィリピンのオーガニック食材”について取り上げさせていただきました。

（まだ前回の記事を読んでいない方はこちら）

最近、そのフィリピン食の健康向上をさらに加速させるニュースがあったので、皆様にシェアさせていただきます。

フィリピンの健康問題

実は、未だフィリピンは健康面に関して途上中です。

下のグラフは、フィリピンの健康寿命と平均寿命を世界及び日本と比較したグラフです。（WHO調べ）

フィリピンはどちらも日本・世界平均を下回る結果となっています。特に健康寿命（※介護を必要とせず自立した日常生活を送れる期間）においては大きく下回っています。もちろんここには様々な理由がありますが、そのうちの一つに食生活があげられます。

元々の貧困による食糧問題に加え、最近参入してきたファストフード店による栄養の偏りがフィリピン人の高血圧・糖尿病を増加させ新たな健康問題に発展しているのです。

フィリピンの食に変革

しかし最近、このフィリピン食・健康問題に解決の兆しが見えています。

それはDel Rosario氏により進められている”Barangay Aquaponicsプロジェクト”です。

これは、”Aquaponics ; 土壌がない環境で誰でも植物を育てることができる科学”と水産養殖・水耕技術を組み合わせて農業をもっと発展させていこうというプロジェクトです。しかもこれ、費用も手間もスペースもかからないという画期的なプロジェクトなのです!

どんなシステム？

では、一体どのようなシステムなのでしょうか？

➀ティラピアやエビなどの魚のタンクを植物栽培ベッドと併設します。

②魚から排出された不要物は硝化バクテリアにより植物の餌になる

➂植物が育ち水をろ過して魚の水槽に綺麗な水を戻す

→➀に戻り再循環

図にするとこんな感じです。

何がすごいの？

このシステム自体のメンテナンスは非常に簡単で、最初のセットアップだけすれば手間はほとんどかかりませんし、設置後数か月で収穫できてしまいます。魚・植物双方に常に良い環境が整っている状態なので、栄養価の高い食品を育てることができるのもこのシステムのすごいところ。

1平方メートルの空間で、ティラピアやエビ100匹を育てることができ、その上の栽培ベッドには、レタスやハーブなどの高価で健康的な植物50個を植えることができます。更にこのアクアポニクスシステムを開始するのに必要な資金は、たった15,000ペソ（33,000円）。※1ペソあたり2.2円（2017年10月現在）

つまり、”誰でも簡単に、しかも安価で栄養価の高い食品を手に入れることができる”という夢のようなプロジェクトなのです。

開発者の夢

国連も世界の飢餓を終わらせるのにこのBarangay Aquaponicsが重要な役割を果たすとまで言っています。

しかし、15,000ペソというのは現地の人にとって未だ決して安い額ではありません。

そこで開発者のDel Rosario氏は、企業の社会的責任プログラムの一環として、いくつかの企業とパートナーシップを築いていく方針で、東南アジアやアジア太平洋市場も視野に入れるなど、より多くの人にこのシステムを届けるソーシャルビジネスを計画しています。

彼は、持続可能な食糧確保、しかも栄養価の高い植物にこだわることで人々の健康向上を目指しているのです。

このプロジェクトによってフィリピンの健康問題に大きな変革が起こる予感です。

健康大国日本にフィリピンが追い付く日も近いかもしれません…

食生活や健康面でもフィリピンがどんどん過ごしやすくなっていく印象ですね！

今後もフィリピンのレベルアップに期待です。